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 実生新花と花の謎

  その七 「花菖蒲のニューフェイス達」
              神奈川県相模原市
 清水 弘

 昨年の会報にて紹介した「鬼柄杓」のグループの新花が沢山できたので、今回は9点ほど写真提供する。親株は何れも「三淵の波」という弁嫁が上方向に捲れ上がるという特性をもった長井古種で、これに色彩や花型の異なる品種を交配して得た雑種の第2代目達である。花菖蒲が今後も発展して行くか否かは、このF2育種(雑種第2代目まで追求する)を辛抱強く続けられるかにかかっている。花菖蒲が文化財というなら、単なる繰り返しではなくそれぞれの時代に工夫をこらしたそれなりの努力が必要であろう。文化の継承とはそれぞれの時代に最善と思われる改良(栽培技術も含む)を加え、瑞々しさを絶えず欠かさないことである。