この度、花菖蒲協会に入会しました松下卓生と申します。
花菖蒲を栽培し始めてまだ間も無く、知識も経験も少ないので、会報に文を掲載させていただく身分ではないのですが、諸先輩方に御挨拶申し上げるつもりで筆を取りました。
今後も御指導の程、よろしくお願いいたします。
東光ナーセリーと花菖蒲そこに奥深い世界がある事を私に教えてくださったのは、師である田地 良男氏でありました。田地氏には、「殊勝」を初め、数々の銘品を世に送った故伊藤
東一氏が興した東光ナーセリーを引継いだ経緯があり、その東光ナーセリーに勤めていることから、私は花菖蒲の奥深い世界に足を踏み入れる事になったのです。
故伊藤 東一氏の名前は、花菖蒲に限らずパンジーや菊のブリーダーとしても有名であったと聞いております。しかし、何といっても花菖蒲に関しては、戦後の一時代を築いた人物として多くの書物、人物より聞き及んでおります。中でも「殊勝」を初めとした肥後系品種群、江戸系では「潮来」の様に小粋な品種が多数あり、特に幻の東京種と呼ばれる系統等、今日でも大変重要な位置を占める品種であると私は認識しております。
しかし、古い時代の品種であることから、現在これらの品種がどの程度存在しているのか確認ができておりません。
これら「東光系」花菖蒲の収集・保存・改良が現在私の目標として行っている事であります。
次に主な品種名を挙げます。
殊勝 濡燕 夕富士 大平洋 一天四海 相生
東鹿の子 夕霞 乙女の夢 夕霧 有馬川 霧ヶ島
夏姿 青葉川 明石潟 姉妹川 綾瀬川 初紫
潮来 須磨の花 利根川 富士川 桜吹雪 最上川
吉野 乙女の衣 恩恵 磯隠 磯紫 和風 芙蓉嶺
雲井鶴 東唄 東光の遊び 東鏡 東光の夢 東鶴
今後これらの品種の写真・特性については、追って発表できればと思っております。
これらの品種の中には、存在しているものもあれば、絶滅してしまったであろうと思われる品種もあるらしいことから、何かの情報をいただければ幸いです。
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