本年より、時代の流れや周囲の環境により、十年以上も使い慣れたワープロから、文書作成などの作業をパソコンに切り替えることになりました。それに伴い、デジタルカメラとプリンターも一新しました。
■デジタルカメラに切り替えた理由
デジタルカメラが発売される以前はフィルムカメラで撮影していましたが、花菖蒲が開花した時だけのにわかカメラマンなので、撮影された写真を見てみるとピントがボケたり、構図のわるい写真が多く、開花日数の少ない花菖蒲では取り直しも効かず、接写のできるカメラを何台か買い換えてみましたが、うまく写すことができずに一時は写真を撮ることが出来なかった時期も何年かありました。
しかし、デジタルカメラの場合は、カメラに付いているモニターで撮った写真を確認することができますので、ピンぼけの写真はデータを削除するだけで済み、自分でプリントもできるので、構図の悪いものはその場で取り直しも出来るので、フィルム撮影より格段に良い状態のものを保存することが可能になりました。
■花を撮影する時に注意していること
1 花
写真は、鉢植え露地植えとも、強風や雨に打たれていない、開花二日目に撮影します。午後になりますと、花弁がだれて撮影には適しません。また、日の強い日は萎みはじめることもあります。一日目の花は十分開ききっていないため、色も濃く品種本来の特徴が現れていないので、撮影には適しません。
2 撮影時間
陽射しのやわらかな午前中の10時から11時頃、または午後三時過ぎてから、カメラに内臓しているストロボが自動発光するまでの時間が理想的で、正午前後の陽射しの強い時間帯や、ストロボを発光させて写したものなどは、花色がぼやけたり細かな模様が写らないことがあるので適しません。
3 撮影
デジタルカメラのメモリーカードは、カメラのフィルムと違い、データを削除すれば何回も撮ることができます。フィルム代、現像代もばかにならないので、あたりまえの事ですが、大きな利点です。
最近では大容量のメディアもあり、何百枚も撮影できますが、撮影した都度パソコンの方にデータを写し、メモリーカードのデータは削除するようにします。
一品種につきニ〜三枚、角度を変えて撮影し、撮影順に品種名をメモしておきます。
4 パソコンに保存
メモリーカードのデータをパソコンに移し、メモに記入した品種名を付けてゆきます。
■印 刷
一〜五までの作業を開花期にしておけば、その後の暇なときに印刷などができ、花の無い時期にも栽培品種の確認や、オリジナルの銘花集を作成することも可能で、保有品種の多少に関わらず花菖蒲を楽しむ方法が増えると思います。
■写真の保存
撮影したデータは、必ずCDRかMOにバックアップ保存します。パソコンのHDに入れたままですと、HDが壊れた時などに、せっかくの画像データが全て消えてしまいます。パソコンは作業するボックスで、データの保存場所ではないと考えると、最悪の事態を避けることができます。
また写真はアルバム保存が一般的ですが、当方は葉書サイズの専用光沢用紙に印刷し、クリアファイルで保存しています。これですとファイルの表裏を使用することができるので倍の枚数が保存できます。
■写真の活用
当方では独自の品種確認カードを作成していますが、ほかにも品種確認の参考資料や、新しい品種を導入する時の参考資料にもなります。また花菖蒲園などでも植付けの配色を考える時の資料にも有効です。
■花の写真の重要性
花菖蒲の品種は、花菖蒲園や種苗会社から購入するのが一般的ですが、花菖蒲は品種数がひじょうに多く、品種の混乱がたいへん起きやすいものです。また、自分で栽培していても、保有品種が増えると、株分けの際に品種間違いが起こりやすく、開花時の品種確認作業が必ず必要になり、その資料に撮影した写真はたいへん参考になります。
また、これまで様々な書籍に花がカラー掲載されたことのある品種であれば、その書籍を参考にすることも出来ますが、そうでない場合は、写真さえ撮影してあれば、その品種の鑑定を誰かに依頼するようなこともできます。 |