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当地の花菖蒲園での管理の要点を申し上げますと、適期に植え替え、乾燥するときは散水し、夏場の八月に適度な肥培を行う。そして、除草をしっかり行い、消毒も適期に行うなどです。
なお、観賞旅行にご参加された皆様に、館林花菖蒲まつりの最後のイベントである、花菖蒲のお座敷展示をご覧いただきたかったのですが、期日の都合でご披露できませんでしたので、ここに紙面をお借りし、鑑賞会の内容をご紹介させていただきます。
一昨年発足しました「館林花菖蒲花正会」(正田啓子会長、会員七二名)主催の「花菖蒲お座敷鑑賞会」は、第二回目の平成十四年は、六月十九日から二十三日までの五日間、館林花菖蒲園に隣接する「秋元別邸」で昨年同様開催されました。平成十四年は花期が早まり、鉢植えの花も例年より十日ほど早く、鑑賞会の期日に合わせるべく開花調整を行いました。普通ですと終日日当たりの良い場所で管理いたしますが、半日ほど日陰にするため住居の陰に移し、さらに寒冷紗をかけるなどの措置を行いました。結果、花が幾分小さくはなりましたが、おかげさまで開期中花が滞ることもなく陳列展示することができました。
まず、初日のオープニングセレモニーは、金屏風の前に陳列された花に照明を当てる点灯式のあと、地元の謡曲愛好者グループ「緑滄会」の「杜若」の素謡をご来場の方々に披露いたしました。そしてその後、一般公開となりました。
金屏風を背にして対七鉢づつ、床の間脇に一鉢、計七十五鉢を陳列いたしました。はじめてご覧になるお客様が多いため、作法説明班の会員が、和服姿で約五分間説明をしますと、来場者からは、鉢が毎日入れ替わることの驚きや、花を真上から無言のまま観賞するなどの体験をし、どなた様も一様に感動しておりました。一鉢おきに白花を置くという陳列の様式や、花の高さも鉢の下に台板を置くことで微妙に調節をして、花の高さが皆同じになるよう注意をはらって展示されていることに、皆様うなずかれていただけました。
観賞が終わりますと、隣の部屋で接待となります。わざわざお運びいただいたお客様への感謝を込めて、接待班が「花正会名入りのお饅頭」お出しした後、お抹茶を点てて接待をします。館林の名水と、日光の天然水をブレンドして点てたお抹茶は格別です。接待会場での会員とお客様との会話は、質問や秋元邸のいわれなど様々ですが、「来年もお待ちしております」と述べ、玄関での送り出しとなります。感激されて帰られるお客様の言葉が、花正会会員一同の励みとなっております。会期中、県内外から昨年とほぼ同数の二千五百名が訪れ、古式ゆかしい観賞方法を味わっていただきました。
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