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橋本理事の奥さんが作成した花菖蒲の押し花と、東京花菖蒲会の松本一郎氏。 |
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山脇氏の講演の模様 |
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並べられた配布苗と、左から東氏、小林氏、三輪氏 |
例年、秋の十月下旬頃に行っている、日本花菖蒲協会の研究会について、みなさんも行ってみませんか〜ということで、ご案内いたします。
以前は、明治神宮会館にて七月に総会、秋に研究会、新年一月下旬に互礼会を行っていたのですが、会場の借用料金の関係で、現在の葛飾区郷土と天文の博物館の一階講堂を使用することになりました。
葛飾区立郷土と天文の博物館は、1990年に造られた、天文と郷土の歴史を紹介する博物館ですが、日本花菖蒲協会との関係がはじまったのは、1995年に同館で「特別展
堀切菖蒲園」という堀切花菖蒲の歴史を取り上げた特別展を行ったとき、当協会理事の三池延和氏が中心となって、この展示会に協力したことから始まります。
同博物館学芸員の橋本直子さんが、堀切と江戸花菖蒲の歴史をたいへん熱心に調査してくださったおかげで、この展示会も成功し、その後も六月には花菖蒲関連の展示をされたり、1998年には「かつしかブックレット8 花菖蒲 江戸の面影・堀切菖蒲園」、「葛飾古文書史料集十一 堀切と花菖蒲」という二品の冊子を発行し、2002年には「かつしかブックレット13 花菖蒲2」を発行するなど、堀切と江戸花菖蒲の歴史の紹介に精力的に取り組んでおられます。
また、史料として同館には江戸時代の花菖蒲関係の浮世絵も多数収蔵されており、花菖蒲園発祥の地で花菖蒲の文化を保存している博物館として、私たち日本花菖蒲協会がお世話になるのは歴史的に見てもたいへん意義のある場所です。
さて、研究会・総会などは、午後一時三十分から午後四時頃まで行われます。集まられる人数はだいたいいつも四十人弱といったところで、やはり関東方面の方が多いですが、平成十四年度の研究会では、岩手県、福島県、愛知県、三重県、広島県、鳥取県、島根県の方など、遠方からお越しくださった方も何人かおられました。
研究会では研究内容発表ということで、だいたい一時間程度の発表と質疑応答、遠方から来られた方々の近況報告、事務局からの連絡、配布苗の配布などがあります。
この配布苗は、事務局の加茂花菖蒲園や、その他の有志の方々からの余情苗も送っていただき、平成14年度は40品種程度、100数十ほどが集まりました。1鉢は無料、2鉢目からは1ポット500円ということで毎年配布しています。品種としては、平成14年秋は「紅 桜」、「碧 玉」、「三河八橋」、「遊 君」、「新水色獅子」、「碧 鳳」、「金 冠」、「みちのく黄金」、「堺の黄金」、「創世紀」、「夢の羽衣」、「出羽の里」、「満月の宴」、「火の舞」、「白花ノハナショウブ」、「青森産ノハナショウブ」、「長井鷹の爪」、「長井古麗人」、「長井山紫水明」、「鶯宿梅」、「葉 隠」など、けっこうな高級品種が出るので、遠方から来られても旅費代くらいは浮いてしまう程です。
過去には伊勢花菖蒲の古花を三十数種類も持って行ったこともありましたし、育種をされている方が、ご自分の作品を持参されたこともありました。みなさん二鉢くらいから、多い人は十数鉢程度も持って行かれますが、東京近辺の会員さんたちは栽培できるような場所も少ないのか、あまり持って行かれません。昨年度も結果余ってしまって、最後には遠方の方に無料で引き取ってもらった程です。
全国組織の会ですので、地理的に参加しやすい関東の人たちばかり格安に苗を入手できるのも不公平かもしれませんが、配布苗もまったく無いようですと、楽しみもなくなってしまって、参加者が減少するのではという懸念もありますので、なるべく人気の高い品種や、品種保存の対象になる品種を配布するようにしています。
以下は、椎野理事長からの、平成十四年度秋の研究会報告です。
秋の研究会
平成十四年十月二十六日(土)午後一時三十分から、葛飾区郷土と天文の博物館で開催され、遠方からの参加者を含め、総勢三十七名の方々が参加されました。鳥取県の山脇信正氏により「花菖蒲の室内栽培」と「花菖蒲の水盤作り」という二つのテーマにつき研究発表がありました。同氏の十二月中旬頃から鉢を室内に取り入れ、室内で翌三月中旬頃から順次開花させるという試みは革新的なもので、インドアプランツとして花菖蒲の裾野を広げようという狙いで、注目に値するものでした。室内の光量や肥料の問題などにつき、活発な質疑応答、意見交換があり、熱気溢れる研究会でした。おわりに貴重な品種の配布があり、午後四時三十分頃に散会しました。
最後に、遠方から来られた場合の博物館までの行き方をご案内します。
東京駅から山手線の上野池袋方面へ乗車し、日暮里駅で下車、そこから京成電鉄に乗り換え、お花茶屋駅で下車。そこから徒歩で5分から10分弱分程度です。お花茶屋駅を出ると商店街になっていますので、人に道を尋ねると良いと思います。やや広い一本道の車道を数分歩けば、博物館の銀色のドームが見えて来ます。東京駅からは、だいたい40分程度でしょうか。
気をつける点は、日暮里駅で進行方向前よりの連絡通路からでないと、京成線への乗り換えができないこと。京成線はでは急行に乗らす普通に乗ること。お花茶屋駅では改札を出たら左側の出口へ向かうことです。
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