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 館林花菖蒲「花正会」の設立について

         館林市 東 秀光

旧秋元家別邸の和室で行われた,花正会の花菖蒲室内展示

  日本花菖蒲協会創立70周年、誠におめでとうございます。本会の存続にご尽力いただきました諸先輩に心より敬意を表します。

    さて、「日本を代表する樹木は桜、草物では花菖蒲と言われております。花菖蒲はノハナショウブを改良して作出された日本原産の植物であります。花菖蒲園での群生美も綺麗ですが、室内での一鉢一花に仕立てられた花菖蒲は厳かで優雅であります。
 
 気品ある花菖蒲を鉢植え室内展示し、格式を重んじながら観賞する全国で館林でしか体験できない珍しい試みを行います。

お客様は最初正座で鑑賞します
鑑賞の後,花菖蒲の説明があります
隣の部屋にて接待となります

 鉢植え栽培の花菖蒲の醍醐味を多くの皆様に楽しんでいただき、花菖蒲文化の向上に寄与するとともに、館林のまちおこしの一助となることを願って会を設立いたしました。」

    以上のような設立趣意書により、本会は平成12年11月28日、発起人10名で設立、翌13年2月7日、会員30名で発会式を行い、その後会員数60名を持ちまして、平成13年6月20日〜6月24日までの五日間、「第一回花菖蒲お座敷鑑賞会」を開催することができました。初日には緋毛氈の上に陳列された肥後花菖蒲15鉢に照明をあてる点灯式を行い、来賓2名に花菖蒲の花束をお渡しし、会長、来賓挨拶を受け、その後一般公開となりました。

    観覧は無料で五日間で芳名記帳者2,050名、ご記帳できなかった方を含めますと延約2,500名に、鑑賞していただきました。

   会場は、旧館林藩主、秋元家別邸の和室で、表玄関より通されたお客様は回廊から南側に廻っていただき障子で仕切られた十二畳の座敷に、床の間に一鉢、その両側に金びょうぶを背に七鉢づつ陳列された花菖蒲を、障子をあけて入っていただきました。外部からは見えませんので案内された座敷に整然と並ぶ鉢植えの花菖蒲に感動の声を発せられた方が大半でした。室内での花菖蒲は、初めて見ましたとの声が伝わって参ります。ここで作法説明の和服姿の会員が交替で五分程度の鑑賞法についてご説明いたしました。お客様には、恐れ入りますが正座していただき、花に向かって一礼をいたします。背筋を伸ばして花に注目しますと、襖の引き手の高さに誂えた豪華な花弁が目に入ってまいります。次におもむろに立ちあがり無言のまま花を真上からご覧いただき、雌芯の大きさ、色の濃淡を観察します。そして元の席に戻り、着席し、再度花に向かって一礼をいたします。

   ここで楽にしていただき、花菖蒲のご説明に入ります。葉姿、葉先の露、開花日数の短さ、刻々と変化する花の芸、夜の行灯の下での美しさ、花は毎日入れ替り明日はまた違った品種が陳列されますので、また明日もお越しくださいと述べて、終了となります。

   説明後しばしご覧いただき、隣の部屋で抹茶と饅頭の接待(全て無料です)となります。和服の会員が特注の花正会饅頭を先におすすめし、召し上がっていただいたあと、抹茶がでてまいります。花を鑑賞にお越しいただいたお客様への感謝のおもてなしです。しばしの間、栽培の質問などお受けし、玄関から送り出しとなります。「来年も是非おまちしております」との会員にお客様から「日本っていいですね。」とのお言葉をいただいたこともありました。会員一同身に余る光栄でした。

  「真心で接し」「真心で応える」この花のとりもつ魅力、御縁にさらなる感動を覚えました。

   去る12月5日には、第一回総会を行い、第二回お座敷鑑賞会は、平成14年6月19日〜6月23日までの5日間と決まりました。

    日本花菖蒲協会の会員の皆様、是非共、第二回鑑賞会にお越しいただけますよう、ご指導激励を花正会員一同心よりお待ちしております。

   協会70周年の記念すべき年に、本会も設立され喜びに絶えません。誌上をお借りして御礼申し上げます。