「紅半夏」べにはんげ:1999年
濃い小豆色六英。昨年登録の兄弟品種:「紫半夏」ほど「ひげ」は伸びない。開花初期は花弁のしかみが強く、真っ黒のビロード状を呈することが多い。高性、やや遅咲き。肥後の古花、紫絞りの「綴錦」の子。
(写真右,以下全て解説の横が品種の写真です) |
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「白筋半夏」しろすじはんげ:1999年
濃い小豆色に白の中筋六英。「紫半夏」「紅半夏」とは兄弟品種。これはほとんど「ひげ」は伸びないが、弁化して花粉がほとんどない。高性、やや遅咲き。
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「篠津姫」しのづひめ:1990年
白に近い薄桃色三英中輪、早生。背丈やや低い。「遠見桜?」×?「春の海」。
「篠津姫」の名は、氏神である篠津神社(滋賀県大津市膳所)より命名しました。
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「たばた姫」たばたひめ:1990年
桃色を含む明るい藤色、目元白筋流れ。襞と縮があり、それほど垂れ弁ではないが優美。中大輪、早生。「遠見桜?」×?「春の海」。
「たばた姫」とは、近所にある粟津神社の愛称の「たばたさん」から名付けました。
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「漏刻祭」ろうこくさい:1990年
薄藤色三英、鉾は幅狭くやや濃色。花弁には隙間があるがゆったりとおおらかに開花。高性、遅咲き。「遠見桜?」×?「春の海」
「漏刻祭」とは、近江神社で毎年六月十日に執り行われる、最古の水時計の祭りのことです。
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「俵藤太」たわらのとうた:1990年
銀鼠色のかかった藤色で輝きがある。脈は少し濃い。三英、中輪、中早生。やや開張気味。
「遠見桜?」×?「春の海」。
「俵藤太」という名称は、琵琶湖琵琶湖対岸にある三上山(近江富士)に巻き付いて離れない大百足を俵藤太が退治したという伝説があり、そこから命名しました。
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「紫揚羽」むらさきあげは:1996年
伊勢系三英、明るい紫、中大輪。角張った咲き出し、襞、縮が多い垂れ弁。やや丈低い中生。強健。同じ色の品種名不詳の伊勢系の実生。
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「紅しじみ」べにしじみ:2000年
既登録の「比叡の朝」の子。白地に紅筋、やや幅のある三英、鉾は濃い紅で立たない。独特の面白みがある。強健。
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「石山寺」いしやまでら:2000年
品種名不詳の伊勢系大輪波状弁、丸深型、青紫に白脈(下写真)、の子。親に似たパターンだが、花色はより紫色で白脈、鉾は爪紅。また、撫で肩型に垂れる。大輪、中生、強健。この親からは250本ほどの実生ができ、淡色のもの、「三河八橋」と同じ色合いで襞・縮の多い伊勢系なども出現。強健性に問題があるが、近くまた発表する予定である。
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「えり時雨」 この美しい浅葱色は開花初日のもの。徐々に白く抜けて、花形も開張型へと変化して行く。種皮も独特の薄い白茶色。
命名の「えり」とは、琵琶湖の伝統漁法のことで、膳所沖にも一ケ所残っています。
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