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アメリカ アイリス協会祝辞 原文 |
親愛なる日本花菖蒲協会の皆様へ
米国アイリス協会会長
クラレンス・マハン
日本花菖蒲協会70周年記念の機会に際しまして、米国アイリス協会の会員を代表し御祝いを述べさせて頂きます。
花菖蒲に関する学術・歴史研究、また栽培や育種等の発展に対する皆様のご努力で、世界中にある庭園は、日本の花菖蒲を植栽することにより、いっそう美しくなって参りました。また、米国アイリス協会を始め、その部会である米国花菖蒲協会、北米野生アイリス協会に対する皆様からのご助力は大変価値あるもので、言葉では言い尽くせないほどです。
私達の協会にはアイリスの品種登録制度があり、このリストへ花菖蒲品種を加えるに際しまして、皆様のご援助を頂きましたことを、ここで改めて御礼申し上げます。球根アイリスを除く根茎アイリス登録の世界的権威機関として、米国アイリス協会は熱心にアイリス類の登録に努めて参りました。特に貴会の一江豊一氏や清水弘氏には、大変なご助力をいただいたことを感謝申し上げております。私達の協会には品種登録係であるケイス・ケッペル氏がおりますので、貴会においても登録係を任命して、互いに協力し合って行くことを期待しております。
アイリス協会は知識の普及と同好の人達の親睦を進めて行くものですが、その奥底には私達の心に訴えてくる美(アイリスの美)があります。世界中のもっとも美しい芸術品や詩歌の幾つかにはアイリスを題材にしたものがあり、日本にもそれに負けないものがあります。アイリスに関係した西洋の詩歌には、芭蕉や一茶の俳句の美しさに肩を並べるものを知りません。多分、マーセル・プロウストの「ジーン・サンチィウル」からの幾つかの詩篇には、近いものがあるでしょう。
...The only sound to be heard was that of the vain Virginia creeper at her toilet, drying her scarlet
leaves, and now then letting fall a drop of water, which struck their irises with a
pleasing"plop."
皆様方や貴会の益々のご発展を祈念しますと共に、私達の協会との連携が更に強いのものとなって、21世紀の新しい世界が花開くことを期待します。
2001年10月24日
敬具
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