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 平成12年度 花菖蒲鑑賞旅行
  青森県 十和田市鯉艸郷花菖蒲園
  編集部      


鯉艸郷花菖蒲園
鯉艸郷花菖蒲園にて
鯉艸郷名花 みちのく黄金

平成12年7月9日から10日まで、一泊二日で青森県十和田にある花菖蒲園、手づくり村鯉艸郷(りそうきょう)を訪問しました。参加者は27名で、あいにく前日まで台風の通過中で風雨を心配していましたが、一日目は小雨程度、二日目には台風一過の好天に恵まれました。
 
 午後1時に青森県の三沢駅に集合し、そこからバスで三沢から十和田市に向かい、十和田市の町を抜け、広々とした風景の中にところどころ藤紫ののぼり旗が見え出してまもなく、鯉艸郷に到着しました。

 鯉艸郷の「鯉」は魚、「艸」は穀物や野菜・山菜の意で、食べ物の大切さや有機農業の素晴らしさを多くの人に知ってもらうために開いた体験型の農園とのことです。花菖蒲園以外にも、縄文村「遊楽園」、山野草のロックガーデン、芍薬園、ルピナス園、手打ち水車そば、りんごもぎ取り体験など、さまざまな施設、見所があります。

 さて、園に入り、水車小屋や大きなかやぶき屋根の民家を通り過ぎたところに、3ヘクタールもある広々とした花菖蒲園が見えました。台風の影響も殆どなく、花菖蒲は開花の最盛期を迎えていました。園主の中野渡氏は、今年は出来栄えが悪くてとしきりに謙遜していましたが、我々の目から見れば素晴らしい成績で、関東地方では望めないものでした。

 この近辺の三沢市の湿地や五所川原市では、花菖蒲の原種のノハナショウブが未だに多く見られるそうで、五所川原市では市の花にもなっており、身近な花のようです。原種が多く自生しているということは、種の生育の適地なのでしょう。花色も暖地とは比較にならぬほど鮮やかで、いきいきとしています。花菖蒲はやはり祖先の地である東北でこそ、まことの美を表現してくれるものという感慨を深くしました。

 また、五百品種ほどを作っておられるそうですが、品種の管理も正確で、名札と花が殆ど合っているのに驚きました。また「みちのく黄金」、「鯉艸郷の舞」など、この園で作出した品種も見られ、園の熱意を感じました。

 花菖蒲以外にも、併設のロックガーデンには様々な山野草が植えられていて、楽しい遊歩コースとなっていました。とくに私たちの住む関果地方では夏に暑すぎて弱ってしまう高山植物が、元気良く育っているのを見るのは、羨ましい限りでした。

 午後5時半頃、鯉艸郷から車で20分くらいのところにある、有名な奥入瀬の奥入瀬渓流グランドホテルに入り、一休みの後、宴会となりました。鯉艸郷園主の中野渡廣美氏と助役の裕生氏も参加され、花談義に交わりを深めることができました。
 翌9日は、午前八時にホテルを出発し、明治の文人、大町桂月が,“住まば日の本、遊ばば十和田、歩けや奥入瀬三里半”と愛でた、奥入瀬渓流の銚子大滝、白布の滝、雲井の滝などを見物しながら、奥入瀬渓流を巡り、雄大な八甲田山を眺望し、最後に三内丸山遺跡に着きました。ここは縄文時代前期から中期にかけて、約1,500年間も生活が続いたとされる有名な遺跡で、竪穴式住居跡や六本の巨木の柱の跡、土器、石器、植物の種など、興味を引きました。途中で昼食をとり、午後2時過ぎに青森駅に到着し、旅程を終え解散しました。

 この項は、会員さんからの寄稿をもとに、鯉岬郷のパンフレットやホームページ等を参考にまとめました。 編集部

 

木造町のベセン湿原で採集したノハナショウブのタネから咲かせた花。花弁が4枚の四英咲きとなっており「十和田四英」と命名。 十和田湖にて
三内丸山遺跡にて 雄大な八甲田の眺め