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編集後記


 日本花菖蒲協会の会報をホームページ化することになって、これで2回目の会報になります。もともと自分たちでDTP編集して作っている会報なので、ホームページにしてしまうことはごくたやすいことでした。と言っても昨年も三月に立ち上げただけで、全く更新もせずに一年がたってしまいました。今年も何だかそうなりそうな予感がしています。でも、このページと加茂花菖蒲園のホームページを立ち上げたことによって、さまざまな反響がありました。協会の新入会員の方も、一昨年が15名ほどだったのに対し、昨年は25名の方が新たに入会されました。そして、花菖蒲というたった一つの園芸植物について、こんなにも深い内容があることを、多くの人に知ってもらうことができました。


 平尾先生の十年祭が昨年行われた関係もあって、本年度の花菖蒲協会の会報にも、先生の追悼原稿が何通か寄せられました。私は、平尾先生に接するには少し遅く生まれすぎ、亡くなられる年の三月、当園で行っている花菖蒲研究会にお出くださったとき、初めてお会いしたのが最初で最後でしたが、「舞扇」や「清少納言」、「業 平」、「千代の春」など、先生の作られた多くの花を見て育ちました。花菖蒲は絵画や陶芸家の作品が、その作者の個性を強烈に顕わすのと同じで、園芸植物であると同時に人の感性が作り上げた芸術作品でもあります。花は人です。先生の作品はどれも素直で明るく、それは先生のお人柄そのものように私には感じられます。そして先生がその花をはじめて見て感動し、取り上げた時の想いが、いつまでも花の上に生き続けています。私たちは今年も6月に、その花々に会うことができます!  
だから私は、花菖蒲に飽きてしまうことはないんじゃないかと思います。

99年3月15日 編集部 永田