花菖蒲のプランター栽培の試み
鳥取県 山脇 信正

1 はじめに
「花菖蒲を植えてみたいが植える場所がない。株分けが大変だ。連作障害があり栽培が難しい。」と言う声をよくお聞きします。
そこで私は、これらの問題を解決するために、叉、高齢者にも手軽にできるプランター栽培を試みました。
2 プランター栽培の利点
(一) 土の容量が少ないため、植え替え(株分け)作業が手軽に出来る。
(二) 好みの場所に手軽に移動して観賞できる。
(三)プランターの水止栓をして水をはることにより、乾燥期に十分に水が当たり、良い成績が得られる。(真夏でも一度水を張っておけば、十日間は水やりの手間が省ける。
(四) 除草・施肥等の管理が手軽にできる。
3 苗の植え方
(一) プランターは水止栓の付いたものを選ぶ。(苗を植えるとき、プランターの排水口に水止栓をする)
(二) 土は肥料分のない新しい土を使う。(小粒の赤玉土、荒木田土等)
(三)元肥はしない。アルカリ性の土は好まない。
(四)一つのプランターに苗を三本植える。
(浅植えにする)
(五)植え終わったら水を張る。
(六) 苗を植える時期は、花が終わった頃。
(六月下旬~七月上旬)
(七)ポット苗を植える場合は、九月~十月頃が最適。
4 肥料とその後の管理
(一)植えると同時に、骨粉入りの固形の油かすを、表面に十から二十個与える。
(二)九月~十二月、三月~四月の肥料の効かせ方が大切。
(三)肥料は、骨粉入り油かす叉は粒状の化成肥料を使用。
(四)プランターの水止栓をしておく
期間四月~九月(六カ月)
水止栓を取り外す期間 十月~三月(6か月)
5 植え替え(株分け)
(一)二年目の花が終わった後に、植え替え(株分け)をする。(六月下旬~七月上旬の頃までに)
(二)植え替え(株分け)の際の土は、一度使ったものは使用しない。新しい土で植え替える。
(古い土を使うと、連作障害が出て活着しにくくなり、極端に成績が落ちる)
6 おわりに
私は、一昨年の三月教職を定年退職致しました。花菖蒲に魅せられて栽培を始めてから二十八年余りになりますが、これからは体力的に限界がありますので、手軽に、身近で花菖蒲を楽しめる栽培方法を、いろいろ工夫して行きたいと思っております。